着物マナーの豆知識
身のこなしの美しさは、着物姿をより美しく見せるポイントともいえます。着物を着たときの立ち振る舞いで、グッと女らしさをアップしてあなたもきもの美人に!
着付けの前に
- メイクは着物を着付ける前に済ませておきましょう。ただし、口紅は着物につくと大変ですので、着付け後でもかまいません。
- ご自身でヘアメイクをする場合は、着付け前にしましょう。
- 足袋やストッキングなどは、一番初めに履くようにしましょう。
アクセサリー
カジュアルな雰囲気(紬や浴衣)の着物には、きちんとした宝石より、洋服にもよく合うファッション指輪の方が調和していいと思います。
デザインが複雑なものは、着物に引っ掛けたりする恐れがありますので、しぐさには十分注意をしましょう。
歩き方
- 歩く時は背筋を伸ばして内股に立ち、直線の上を歩くつもりで、小さな歩幅で歩きましょう。つま先に重心をかけた方が美しく、楽に歩けます。
- 草履になれていない人は、あらかじめ鼻緒を少しゆるめておくと歩きやすくなります。
裾が狭くて歩きにくいとき
着付が終わったら すそさばきをやっておくと歩きやすくなります。
(※すそさばきとは、相撲の四股を踏むように足を肩幅くらいに広げ、ひざを深く曲げるようにする事です)
手の上げ方
普段のようにうっかり手を上げると袖口から腕が見えてしまいます。せっかくの着物姿です、袖口を押さえて肘を曲げて女性らしくおしとやかに振舞ってみましょう。
正座の仕方
正座をすると上前がはだけやすいので、上前を腰の辺りで引き上げて合わせを深くしてから座るといいです。座った後は両ひざをやや浮かせ、上前の乱れを直します。
立つときは裾や上前を踏まないように気をつけましょう。
足をくずす
長時間の正座はなかなか出来ませんね…。お茶席以外ならば、横すわりでもかまいません。そのときは「足をくずさせてください」と先方にことわる気遣いは好印象をあたえます!
足を横に出しての猫背は止めて背筋は真っ直ぐに!そうすれば横すわりにも品がでますよ。
玄関を上がる時の草履の脱ぎ方
玄関を上がる時は、あらかじめ草履の鼻緒から足を抜いておきます。
両足を揃えて、前向きに脱ぎ、上がったら向き直ります。
ひざをついて座り、つま先を外に向けてそろえます。
草履を置く位置は、中央を避けやや端に寄せるようにします。
椅子の腰掛け方
振袖など長い袖をそのままで腰掛けると床について汚れてしまいます。
座るときには両袖を持ち、座った後は膝の上に袖を重ねておきましょう。
あまり深く腰掛けると、椅子の背もたれに帯があたって、せっかくの帯の形が壊れてしまいます。帯が椅子の背にあたらないように注意しながら、少し浅めに腰掛けるようにしましょう。
食事の時などは、バッグを背の後ろに置いてもかまいません。
ナプキンの使いかた
洋装のときは正方形のナプキンを二つ折りにして折り目を手前にひざの上に広げます。でも着物のときはすべりやすいので、ナプキンを広げたまま斜めにし、はしを帯締めにはさんでおくといいです。ナプキンがセットされていない時でも大丈夫なように、大判のハンカチを用意しておくといいですね。
階段の昇降の仕方
階段の上り下りは、袂を引きずったり裾を踏んだりしないうにします。
両方の袖を重ねて左手で持ち、右手で裾の上前を軽く引き上げて階段を上り下りします。
持ち上げすぎてふくらはぎが丸見えにならないように注意しましょう。
体をやや右向きに、重心はつま先にかけるようにゆっくりと昇り降りしましょう。
車の乗降の仕方
- 乗り方
手荷物は先に車内に入れます。お尻→頭→足の順で車に乗りましょう。
袂を汚さないように両袖を揃えて片手で持ち、上前を引っぱりながら一旦シートに浅く腰をかけます。
髪型がくずれないように注意しながら頭を車内に入れ、体を回転させるように足を揃えて車内に入ります。
シートに座ったら、椅子に座るときと同様に浅めに腰掛け、袖は膝の上に重ねて置いておくようにしましょう。
帯をかばって前かがみの姿勢でいますので安定感が悪いです。前の座席の背にしっかりとつかまっておきましょう。
- 降り方
降りるときは足から先に出します。足を揃えて地面に下ろし、左手で両袖を持ち右手で上前を引き上げながら体を回転させ、かがみながら外へ出ます。
下車後は、きものの乱れがないかチェックします。
電車のつり革
二の腕が露出してしまわないように気をつけましょう。つり革を持っていないほうの手で、袖口を押さえ、腕が見えないようにします。
基本的には、なるべく腕を上げないようにしましょう。頭より上に何度も手を持っていくうちに、脇が緩んできてだらしなく見える原因になってしまいます。
トイレの行き方
着物を着たときに一番困るのは、やっぱりトイレ。着物を着ている間じゅうガマンしているわけにもいかないし、うっかりしていると大事な着物を汚してしまいそう。いうときに困らないように、前もって頭に入れておくといいですね。
- 振袖の場合
- できるだけ、洋式のトイレを選ぶようにしましょう。
- ハンカチなどをあごにはさんでおくと、うつむいたときにファンデーションが襟元についてしまうのを防ぐことができます。
- まず、長いそでを処理します。袖の真ん中辺りを帯締や帯に挟み込みます。このとき、洗濯バサミがあるときっちりと固定することができて便利です。
- 次に裾の処理です。上前、下前、長じゅばん、裾よけの順に持ち上げ、ずり落ちないように三枚を全部一緒にまとめて、しっかりと手で持っておくようにしましょう。
- 一番下に着ているすそよけを風呂敷のようにして上のものを全部まとめて包んで結んでしまうという方法でもオーケーです。特に背側をしっかりと上げて下さい。
※トイレから出るときは、裾や帯が元通りに戻せているか、しっかりチェックしましょう。
※下着は、股上の浅いビキニタイプのものがよいでしょう。股上が深い下着は、上から帯で押さえられてしまい、下ろすのが大変になってしまうことがあります。
手を洗う
袖がぬれてしまわないように注意しましょう。トイレのときと同じように、そでを帯や帯締めにはさむようにするとよいでしょう。
タバコを吸う
洋服でもタバコの臭いが付くように着物も同じです。絹はニコチンを吸収して着物を汚す原因にもなりますので、きものを着ている間の喫煙は控えましょう!
それに着慣れない着物です、うっかりタバコの火を落としてしまい、大切な着物にコゲ穴を作ったりしたら、それこそ大変です。タバコは着物の大敵。少しの間タバコはガマン、ガマンです!!
雨の日…
雨の日には、大き目の傘をさして、泥がはねないようにできるだけ静かに歩きましょう。
汚れが付いた時に直ぐ対処出来るよう、ハンドタオルなどを持っておくとよいです。
心がけて欲しい事
- トイレに入ったり、手を洗うときなどうつむくときは、あらかじめあごにハンカチをはさんでおくと、ファンデーションが衿につかなくてすみます。
- 大判のハンカチを余分に持っておきましょう。食事の席では、ナプキンがわりに膝の上に置いて使えますし、座るときに汚れが気になるときは、ハンカチを下に敷いてから腰掛けることができます。
- 洗濯ばさみを何個かバックに入れておきましょう。トイレで袖や裾の処理に役立ちます。
- 着物が汚れないよう手は常に清潔にしておくようにしましょう。ウェットティッシュなどを携帯し、こまめに手を拭くようにしておくとよいでしょう。
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